耐震 劣化 について- 住宅診断(ホームインスペクション) と 耐震診断 –
耐震 劣化 について- 住宅診断(ホームインスペクション) と 耐震診断 –
耐震設計上、安全とされているにかかわらず住宅診断と耐震診断の結果、耐震力が全くなかったというケースをご紹介いたします。住宅の耐震力を調べる方法に耐震診断というものがあり、非破壊検査にて調べる調査会社もあれば、図面と現場を調べてくれるところがあります。
どちらも地元不動産会社に相談すれば取引のある検査機関などにつないでくれますので地元不動産会社にご相談ください。
見えない壁の中の様子まで調べてくれる。
現場にて見えないところまで調べることが大切だと思われます。
不動産のお取引の際に出くわした2つのケースをご紹介します。
また耐震診断などの住宅診断がもっと一般的になっていくと安心な不動産売買が可能となると考えております。
しかし、現実的な問題では買主からは動きにくい業界構造の問題点があります。
大手不動産仲介会社でも買主からの住宅診断を受けて安心してから買いたいと言っても、
「会社の決まりで、他に欲しいと言われた場合そっちに売ります。」
と言われてしまいます。買主にとって心配しているポイントだからこそ、売り手側から買主に強力なアピールポイントにできるのが住宅診断・耐震診断です。
一度も車検を通したことない車と車検を通している車
どちらが安心できますか?すぐに売ることがなくても大切な不動産を価値化してあげてください。
ケース1、耐震診断の結果 現行耐震基準の4分の1以下
昭和60年代に坪100万円とふんだんに天然ヒノキを使った純和風のお家がありました。
買主さまは今まで色々と多くの家を探してきたがこのお家ほどイメージ以上のお家はなかったと気に入って頂きました。
しかし、和風建築は南側に大きな窓をとっており、重い瓦ものせているので、耐震補強工事と水回りのリフォーム見積もりも兼ねて耐震診断士のいる会社に依頼しました。
結果は現行耐震基準の4分の1程度しか耐震力がないことが発覚しました。
2000年の建築基準法改正により考え方の変更もありますが、外からは見えない躯体部分の劣化がお家の耐震力を著しく減少させていました。
耐震補強工事をするためには柱をもっと増やす必要と自慢の庭を眺めることができる大きな窓を一部壁にして、屋根を耐震瓦に変更する必要がありました。
気に入ったお家をできるだけ雰囲気を変えたくないとの希望と耐震の不安でとの間で揺れ動いておられることを心苦しく感じておりました。
ケース2、住宅診断(ホームインスペクション)で発覚ー耐震力なし!?手抜き工事
大手不動産会社がバブルの少し前に分譲された大規模開発団地(200区画)のとあるお家を売買させていただいた際に新耐震基準の築年数であり、検査済証も役所に届けられているため、一定基準は満たしていると判断して購入しようとお考えに至ったのですが、築年数が25年以上経っていたので、住宅診断(ホームインスペクション)を受けることになりました。
住宅診断上問題なければ、購入しましょうと売主様とお約束いただき、青写真の図面を頂き、
診断士さんとも図面見る限りは「ちゃんとしてますね~」と無事取引になるものと疑っていませんでした。
診断当日、診断士と売主様が先にお家に入り診断が始まりました。
通常2・3時間はかかるとお聞きしていた為、1時間程度遅れて現場に着くと診断士が屋根裏から血相変えて飛んできました
診断士:「筋交い一本もないです。」
「え?」
診断士:「非破壊調査の機械が反応がない為、目視にてあらゆるところ探したが、筋交いないです。」
「え??図面にはありましたよね?」
診断士:「はい。図面にはありました。」
私は少しパニックになってしまい
「図面にはあって現場にはない?検査済証は上がってましたよね?2×4ですか?」
診断士「検査済証はありましたが、時々あるんです。当時検査がザルなこともあって。2×4ではないです。」
診断士「つまり、、、耐震診断としては相当マズイです。」
買主様にその場でお電話させて頂き、タイミングよく親御さまとお近くにいるので向かいますとお電話後20分程度でいらして頂きましたが、
正直その時の私も売主も親御様には「嘘つき」に思われていました。
新耐震基準で検査済証があるならおそらく大丈夫だろうとお伝えしてしまっていたので、親御様には酷くショックだったのだと思います。
しかし、売主様には非はありませんでした。
筋交いの入った図面、図面通りに施工した証明の検査済証を大手不動産会社から渡されており、約30年間信じてお住まいになって来られてました。
そこにいる全員が沈黙してしまうという気まずい経験がありました。この苦い思いを共有していただいた売主様と買主様は最終的にはお取引しました。
全て建て替えしました。
もし、診断士さんがいらっしゃっていただけなければ、このお家は問題を抱えたことを知られないままでした。
そのままお住まいになるにしても、いつかは売却することにしても住宅診断と耐震診断は受けて損はないです。
実はそれから近い築年数のその大手不動産会社のお家は必ず診断士に来ていただいてました。
結果はその1軒だけではなかったです。
診断保証付き販売より手軽に
住宅診断がより一層一般的になっていくことになれば不動産売買はもっと安心していただけるものになると信じております。
繰り返しとなりますが、一生に何度もない買い物ととらえてお考えの買主様には住宅診断・耐震診断済みだということは強力なアピールポイントとなります。それが数年前であっても全くしていないものよりは全然違うものと考えられます。
一度も車検を通したことない車と車検を通している車
どちらが安心できますか?すぐに売ることがなくても大切な不動産を価値化してあげてください。
弊社サービスでは査定時に住宅診断・耐震診断を利用した販売についても併せて相談いただけます。
よろしければご相談ください。